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NORIKIYO【ラッパー解説】相模原のクルーSD JUNKSTAのリーダー。ハスラーから日本を代表するラッパーへ

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今回は相模川リバーサイドを拠点とするヒップホップ集団SDP(Sag Down Posse)ことSD JUNKSTAのリーダーNORIKIYOさん(のりきよ・以下敬称略)を紹介させていただきます。

自分が彼を初めて知ったのは2005年か2006年位に発売されたDJ ISSO&SEEDAのミックスアルバム『CONCRETE GREEN』だったかと思います。これには当時まだ駆け出しだったSCARSやL-VOKAL、SD JANKSTAが出演していて彼らの存在もこのアルバムで知りました。ISH-ONEとかもいたような・・・。

(ちなみにコンクリートグリーンはシリーズ13位まで出てるんですが今では中々手に入らないプレミアアルバムで全部持ってたらけっこー自慢できますw)

あれから十数年、このアルバムに出ていた当時若手だった彼らの多くが今では日本のヒップホップを代表するラッパーとなっています。NORIKIYOもその中の1人でSD JUNKSTAのマイクリレーを聞いた瞬間「誰コレ?!誰誰?!」ってなったのを覚えています。

デビュー間もない頃はイケイケのハスラー臭漂うラッパーだった彼も今では社会問題にまで切り込む幅広いスタイル、皮肉の効いたディスが特徴のリリシストとして日本に欠かせないアーティストの1人となりました。今回はそんなNORIKIYOの魅力を解説させて頂きます。

 

相模原のSD JUNKSTA

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NORIKIYOを語る上でまず相模原のヒップホップクルーSD JUNKSTA(エスディージャンクスタ)の話をしないといけません。メンバーはNorikiyoBron-K(ブロンケー)・TKC(ティーケーシー)・KYN(ケー・ワイ・エヌ)・Wax(ワックス)・Ojibah(オジバー)・Site(サイト)・DJ Deflo(デフロ)・DJ Isso(イソ)の9人。

ノリキヨはこのクルーのリーダーなんですが、まあとにかくめっちゃめちゃカッコイイです。この中で実際にラップしているMCは6人ですがそれぞれ全員個性があって彼らのマイクリレーは圧巻の一言に尽きます。

たしかSD JUNKSTA名義のアルバムって1枚しか出ていなかったと思うんで彼らが揃ってラップしている曲ってほとんどない事からもレア感がヤベーです。ファンとしてはもっと聞きたいんですけどね~。

現在SD JUNKSTAは解散してしまってるとノリキヨが漢さんぽで言ってたんでもうこのクルーの活動はないかと泣。なのでこのアルバム買わないとメンバーのマイクリレーは聞けないです。ジャパニーズヒップホップフォロワーなら絶対聴いた方がいいですよッ。

※大変失礼いたしました。SD JUNKSTAはセカンドアルバムもリリースしています。誤った情報お詫び申し上げます。フォームから連絡を下さった方、ありがとうございました。m(_ _)m 

 

皮肉の効いた辛口のリリック

ノリキヨのラップスタイルは年を追うごとに変化していっているのですが、当時大きな話題となった1st、2ndはストリート色の強い過激な楽曲が多いです。

それ以後は徐々に社会問題にも切り込むようになり、さらにはポエトリーな楽曲までも手掛ける幅広い音楽性を表現できる事を証明し日本のヒップホップシーンでの地位を不動のものにしていきました。

楽曲を聞いていて特徴的だなと思うのは、彼はHIPHOPに対して厳しく非常に硬派な印象を受けるところで、彼の中のルールで「これはフェイクだ」と思ったものに対しては容赦なくディスを放っていきます。

その言い回しも直接的ではなく少し湾曲させてディスるというか皮肉っぽく言うのが特徴で、そこに彼のリリックセンスも相まってなかなか他のラッパーにはできない表現法で自分の考えを述べていきます。

これは人に対しても音楽に対しても風潮に対しても同じで、『馴れ合い』だったり『ヒップホップ''風''』だったりするのものに対して私は一切受け入れません、認めません、言いたい事は言います、という辛口のスタンスに徹底したヒップホップマインドを感じさせます。

おそらくここ最近のインフレしたバトルブームに嫌悪感を抱いている1人かなとも思いますね。UZIへのディスソングにも「最近増えたらしいじゃん頭悪りいラップ好き」「何文字の韻を何回踏んだ?はいw」「それ(ダンジョン)見る位ならエロ動画見る方がマシ」って歌詞もありますし。

カルチャーとしてのHIPHOPを重んじる人ほど最近の風潮を批判する傾向にありますが、客観的なファン目線で大局的に見るとシーンとしては面白い局面にあるとも個人的には思いますね。この辺の話はまた別の機会に記事にしようかと思います。

 

ZEEBRAへのディス

彼のディスの対象になったラッパーとして挙げられるのはやはりZEEBRAでしょう。ZEEBRAはそんじょそこらでディス喰らってるのでジブラディスは挙げたらキリがないんですが、中でもノリキヨは結構しつこい笑。何度も執拗にディスってます。

彼はジブラがキッカケでラップを始めたとの事ですのでリスペクトから来るものだと思うのですが、最近のZEEBRAは音源制作はせずラップ普及のためのライト層への働きかけの活動(テレビ・ラジオ)がメインなので、硬派なHIPHOPアーティストのNORIKIYOからすると昔のZEEBRAに戻って欲しいという訴えでもあるのかもしれません。

ZEEBRAは「次のアルバムでアンサーソングを出す」と公言しているんですが、そのアルバム自体がすでに何年も出ていません。相当忙しそうですが次回作の発表はいつになるのかまだちょっと分からない感じですね。

 

QNとのBEEF

かなり前になりますが元SIMI LABQN(菊池一谷)とのビーフってのもありました。地元相模原の後輩であるQNが仕掛けたディスを発端に始まったビーフです。先のジブラのと違いコチラは結構ガチ揉め感があり当時はかなりざわつきました

そういえばここ最近マジビーフってあまりないですね。もちろん水面下では色々あるんでしょうがこれ以降シーン全体にまで伝わるファンが騒ぐほどのデカいBEEFは漢 a.k.a. GAMIvsKNZZくらいでしょうか。

この時のQNはけっこう暴走気味でSIMI LABのOMSBディスをきっかけにクルーを脱退した時でもありました。しかしこんな怖そうな先輩よくディスれるなぁ。ちょっとヤバそうな雰囲気でしたが現在は和解しています。QNが相模川に沈められなくてホント良かった(ホッ)。

 

NORIKIYO出世曲をチェック!

やっぱNORIKIYOの代表曲と言えばこれしかない!『DO MY THING』です。この曲は当時ヘッズの間で大きく話題になった歌で、この曲で一気にNORIKIYOの名が全国に知れ渡る事になります。

直撃世代からするとやっぱこの頃のイケイケ時代のNORIKIYOが一番好きって人も多いのではないでしょうか?自分もこの記事上げるんで久々に聴いたんですが懐かしくて当時の思い出が蘇ります。やっぱり今聴いても全然色褪せないですクソカッコイイです!

もちろん今の楽曲もカッコいいのもばかりなので是非ともチェックしてみて下さい。って事で今後もNORIKIYOの活躍に注目しましょう!

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