OZROSAURUS(オジロザウルス)【ラッパー解説】西海岸HIPHOPを日本で広めた横浜の重鎮。現在はバンドとして活動
今回は横浜のHIPHOPの代名詞的存在であるハマの大怪獣ことOZROSAURUS(オジロザウルス)の紹介です。
MACCHO(マッチョ)とDJ TOMO(トモ・敬称略)の2人で活動していたこのグループは、元々マッチョが所属していたクルーDS455らと共に『横浜045スタイル』と称してアメリカ西海岸ヒップホップを日本で定着させました。
以後DJ TOMOが脱退ししばらく1人での活動後、フリースタイルダンジョンのDJを務めていたDJ SN-Z(スニーズ)が加入。
さらに各バンドから山嵐の武史、TOTALFATのBunta(ブンタ)、Crystal LakeのYD(ユウダイ)、トラックメーカーにGUNHEADを迎え2015年から新たに新生オジロザウルスとしてミクスチャーバンドに生まれ変わりました。
今回は横浜の重鎮、いや、今や日本のヒップホップの大御所でもあるオジロザウルスの魅力を解説させていただきます。
西海岸ヒップホップ
【西海岸のG-FUNKを輸入したDS455】
MCであるMACCHOは元はDS455(ディーエスフォーダブリューファイブ)に所属していました。このグループは西海岸HIPHOPを日本で表現したパイオニア的グループです。
このグループのDJ PMXが奏でるサウンドはアメリカ西海岸のドクタードレーやウォーレンGに代表される『G-FUNK』と言われるものに大きく影響を受けています。
G-FUNKとは独特のシンセ使いで奏でるゆったりとしたサウンドにシンガーのコーラスを入れ、それでいてラップの内容はシリアスだったりするギャップが生み出すオールドスクールHIPHOPには全く無かった表現で、90年代のアメリカで一大ムーブメントを巻き起こした革命的な手法です。
MACCHOはDS455から独立しDJ TOMOとOZROSAURUSとして活動を始めるのですが、オジロザウルス活動初期の音源もこのUSウエストコーストHIPHOPに大きく影響を受けているスタイルでした。
横浜の顔となる
オジロザウルスの名が一気に知れ渡ったのは2001年に発売された1枚目のフルアルバム『ROLLIN'045』がシーンで大ブームになった事がキッカケでしょう。このアルバムは現在でも日本のHIPHOPクラシックの1枚として語り継がれる名盤です。
MCのマッチョが当時何度も口にしていた『横浜045スタイル』(045は横浜市の市外局番)という言葉もファンの間では完全に定着。先のDS455と共に「横浜といえばオジロザウルス」とまで呼ばれる横浜の2代巨頭となり、知名度も一気に全国に広がります。
自分もこの頃の直撃世代なのですが、自分自身神奈川県出身という事もあり当時のオジロザウルスブームは本当に凄まじく、「横浜でオジロザウルスの悪口言ったら刺されるんじゃないか」というくらいプロップスのインフレが巻き起こっていました。
ROLLIN(ローリン・街を贅沢にクルーズする)というHIPHOPスラングを日本で定着させたのも彼らでしょう。ホント擦り切れるほどアルバムを聞いていましたし、自分が本場アメリカのウェッサイをディグるキッカケになったのも彼らのお陰です。
ここからレジェンド的な存在に
これ以後もオジロザウルスの勢いは止まることなくDJ TOMO脱退後も1人で活動を続け『横浜を代表するラッパー』から『日本を代表するラッパー』と言われるまでに昇っていきます。
色んな話題に事欠きませんが中でも特に凄いのはGrandmaster Flash(グランドマスターフラッシュ・HIPHOP創世記から活動するアメリカの超大御所DJ、HIPHOP文化のお父さん的存在の1人)の20年ぶりのアルバムに客演で呼ばれている事です。
このアルバムの客演の豪華さといったらハンパないですよ、なんせ世界のHIPHOPレジェンドの名前がズラッと並んでいますから!!その中に『Maccho』の文字!!これは本当に凄い事です。
しかもがっちり堂々と日本語でカマしてるからね!!日本のHIPHOPは世界に誇れるという事をカタチで証明してくれました涙
2015年からバンドとして生まれ変わった
デビューからこの間にも常に進化を続け、新譜を出すたびに色々な表現を見せてくれたOZROSAURUSですが2015年にさらなる大改革を打ち出します。
ZEEBRAのレーベル『GRAND MASTER』に移籍すると同時に各バンドから召集されたメンバーと共にミクスチャーバンドとして生まれ変わりました。改めてメンバーを紹介すると
MACCHO(MC)
DJ SN-Z(DJ)
YD(ギター・Crystal Lake)
武史(ベース・山嵐)
Bunta(ドラム・TOTALFAT)
GUNHEAD(トラックメイカー・HABANERO POSSE)
となっとります。
コレをきっかけにロックファンにもMACCHOの名前を知ってもらえたらとても嬉しいです。是非チェックしてみて下さい!
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