レペゼン社会不適合者

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『高校生ラップ選手権』の第1回~第13回歴代優勝者一覧【解説付き】

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BSスカパーの人気番組『BAZOOKA!!!』の人気企画『高校生RAP選手権』。第一回大会開催当初は小さなテレビ企画だったのが今や若きラッパーの登竜門とも言えるスーパービッグイベントへと成長しました。

''ラップ版甲子園''とも言えるこの大会で結果を残す事が出来れば大きく知名度が上がり、一気に日本のヒップホップシーンの前線に滑り込める大チャンスでもある事から回が進むにつれエントリーする参加者は右肩上がりに増えています。

今回はそんな大激戦区を勝ち残った若き王者を解説付きで紹介していきます。

 

第1回・第4回王者 T-PABLOW(K-九)

【T-Pablowの解説はコチラ】

  

第2回王者 Kay-On

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第2回王者は日本で生まれた韓国人としての誇りを持ち、その気持ちを代弁していくスタイルでチャンピオンとなったKay-On(ケイオン)です。

決勝戦でのgomessとの試合はケイオンは在日韓国人として、ゴメスは障がい者として、お互い若い頃から差別を経験してきた者同士のシンパシーと立ち向かうエネルギーを感じた素晴らしい試合でした。

 

選手権以降もファンとしてはバトルにも積極的に参加してほしいところでしたが、あまり公の場に出てくることはなく、MCバトル戦線からはこれ以降離脱しています。

現在は音源を定期的にアップしており、韓国語、日本語を使い分けての作詞で彼の同胞のKwiseonというシンガーの歌声と彼のラップとのコラボは素晴らしいので是非一度チェックしてみて下さい。

 

第3回王者 HIYADAM

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第3回王者は北海道札幌市から来た道産子ラッパーHIYADAM(ヒヤダム)です。流れるようなフロウは2013年当時よりもどちらかというと今のトレンドに近い乗り方で非常にスタイリッシュでした。

彼も選手権以外のバトルはほとんど出場しておらず、『戦極MCバトル』などにも出場経験はありますが、バトルMCとしての活動よりも音源制作がメインの活動となっています。

自身のyoutubeチャンネルにも定期的に音源をアップしていて、2017年8月には超新星JP THE WAVYの客演に招かれるなど、再び注目が集まっています。

 

第5回王者 YZERR

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第5回大会王者となったのは第1回・4回王者T-PABLOW(ティーパブロ)の双子の弟YZERR(ワイザー)です。第1回大会出場時はDIABROという名前でした。

 

兄と同じくバトルセンスも超一流なのですが、兄ティーパブロが選手権以降もバトルMCとして精力的に活動していたのに対し、彼はこの大会を優勝した後はバトルに積極的に参加する姿勢は見せておらずMCバトルの大会にもほぼエントリーしていません。

 

現在、兄ティーパブロや地元のクルーBADHOPと共に同年代のラッパーの中では間違いなくトップを走っているであろう現在の日本のHIPHOPシーン若手筆頭株の1人です。

ラップがカッコイイのはもちろん、ヒップホップラジオ『WREP』で放送される彼らBADHOPの番組『CHOOSY TUESDAY』でのワイザーの喋りもファンから好評で、彼のトークスキルを知らない方は是非ラジオをチェックしてみて下さい。

 

第6回・第7回王者 MCニガリa.k.a.赤い稲妻

【MCニガリの解説はコチラ】

 

第8回王者 LEON a.k.a.獅子

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第8回王者は日本・韓国・ギリシャの3か国の血を持つハイブリッドラッパーLEON a.k.a.獅子(レオンa.k.a.シシ)です。

彼は高校生ラップ選手権常連で4大会もの本戦出場を果たしている強豪ですが、Leonも主だった試合は選手権がほとんどで『戦極』『罵倒』『UMB』などへの積極的なエントリーはしていません。

 

選手権王者の中では特に音源の評価が物凄く高いラッパーで、硬いフロウから急にビートで泳ぐような変則的なラップは非常に聞き心地がよく、数々の大物ラッパーが彼の曲を褒め称えています。

彼もヒップホップラジオ『WREP』でLick-Gと一緒に番組を持っており、若手2人のトークもなかなか面白くこちらも要チェックです。

  

第9回王者 裂固

【個別記事アップしました↑】

第9回王者は芸術的な固い押韻が魅力の裂固(れっこ)です。日本語ラップらしい分かりやすいフロウに加え、語尾ごとに必ず脚韻を合わせてくるパーフェクトライミングでチャンピオンとなりました。

彼はどちらかというと選手権以降も積極的に他の大会にもエントリーしている正統派バトルMCとも言え、フリースタイルダンジョン2代目モンスターに抜擢されている事からもキャリアの足跡はT-PABLOW(ティーパブロ)に似ています。

 

家庭の事情等彼のバックボーンも決して恵まれたものではないものの、それをバネにここまで来た努力の青年です。現在は音楽で生活できるようになったという事で、今後もより一層活躍を期待したいです。

 

第10回王者 じょう

【じょうの解説はコチラ】

 

第11回王者 9for

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第11回のチャンピオンは超高校級ともいえる実力でハイレベルの第11回大会の優勝をかっさらった9for(ナインフォー)です。テクニック面はもはや上限に近いと言っていい程とてつもなく上手く、アンサーも上手です。

 

彼はすでに大人の出場するメインストリームの大会にガンガン参加しており、第11回の参加者の中にも他にそういったラッパーは何人かいたものの、この激戦区を見事制しチャンピオンとなっています。

2017年現在、今のところ彼はおそらくバトルがメイン活動の正統派バトルMCという感じですが、今後はきっと音源に力を入れる時期が来るでしょうからファンとしてはそこも非常に楽しみなラッパーです。

 

第12回王者 Core-Boy

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第12回大会はエントリー数1000人という超絶激戦区から選ばれただけあって、バトルの全体的なレベルはオールスターマッチだった第10回大会以上と言っても過言ではない超ハイクオリティな試合ばかりでした。

この過去最高レベルの大会を制したのが彼Core-Boy(コアボーイ)です。韻・バイブス・活舌・フロウ・アンサーの返し・言葉の説得力全てが揃ったコンプリートライマーで、優勝時点の実力だと選手権史上最強かもしれません。

 

この記事を執筆時点ではまだ12回大会が終わってすぐですが、彼には今後大きな注目が集まる事は必至な気がします。ラップだけでなく、立ち振る舞いなどにもスター性を感じさせる今後期待の若手がまた1人現れましたね。

 

第13回王者 G-HOPE

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第13回大会を見事制したのは第11回、12回大会とも本戦出場を果たすも宿敵CORE-BOYの壁に阻まれ苦渋の飲んだG-HOPE(ジーホープ)が遂に悲願のチャンピオンの座につきました。

この13回大会は優勝候補のRed Eye(レッドアイ)がまさかの一回戦負けを喫すなど第一試合から波乱の幕開けとなりました。この大会も全試合かなりのハイレベルな戦いばかりで、超倍率の厳しい予選審査を潜り抜けてきた彼らのラップは凄かったです。

G-HOPEは現役選手権出場者の中では数少ないフリースタイルダンジョン出演経験のあるラッパーですが、ま~とにかく彼のライミングテクニックは凄いです!加えて今大会はいつも以上にディスの毒も強く気合が入っていましたね。

大会終了後は「これでバトルは引退」と言ったようなコメントをしていたようですが、前回王者でありライバルのCORE-BOYが14回大会出場宣言してますよ!ここでG-HOPEがどう出るのかも今後注目です。