ヘッズの俺が『世にも奇妙な物語』のラップ話『フリースタイル母ちゃん』を見たので感想を語る。
2017年10月14日放送の『世にも奇妙な物語'17秋の特別編』の話に中山美穂さん主演でフリースタイルダンジョンにかけて『フリースタイル母ちゃん』という話があったんで見てみました。
『世にも奇妙な物語』は録画してたんですが見てなくてこのまま忘れ去られていきそうな感じだったんスけど、11月21日放送のフリースタイルダンジョンで「世にも奇妙な物語のラップがどうこう」みたいな事言ってたんで「え?!マジで?!『世にも』でラップの話あんの?」って事でさっそくチェケラしてみました。
って事で一か月半前の放送なのでかなり今更な感じなんですがHIPHOPジャンキー兼日本語ラップヘッズ兼バトルヘッズをレペゼンしてあーだこーだ語ろうと思います。
キャスト結構おもろい
とりあえず主人公の中山美穂がスゲー綺麗というのは日本人オトコとして当たり前の感想として、キャストが日本語ラップファンへのサービス精神があってなかなか良かった!
物語の中心はもちろん本職の役者さん達が演じてるんですが、脇役でラッパーが何人か出てましたね。
ヘッズならば誰もがニヤッとしたであろうスチャダラパーのANI(アニ)がスーパーのレジでマナーの悪いB系の兄ちゃんみたいな役やってたのは面白かったです。「え?!ANI?!しかもチンピラ役かいw」ってなりました。
彼はアーティストイメージとしてオラオラなキャラじゃないのでそのギャップが良かったです。個人的にはあれがD.O(ディーオー)とかだったらもっと面白かったけど笑
中山美穂の旦那役はいとうせいこう、道端で彼女とイチャついている男役でACE(エース)もいましたし一瞬ですが観客として輪入道が登場しているなど、なかなか日本語ラップファンにも胸アツなオマケ演出となっていました。
一般層に向けてのレクチャー要素も〇
あと素晴らしいと思ったのはラップに興味のない層に向けての軽い説明要素が入っている点ですね。
普通の主婦である主人公が『ディスる』という言葉をググっているところや、ラップの基本要素である『ライム』『フロウ』『リリック』についてレクチャーを受けているシーンが視聴者に向けての説明にもなっていて良いなと思いました。
『HIPHOPはディグが大事(サンプリング文化になぞって音源などをたくさんチェックする事が大事)』とはよく言いますが、この『ディグる』についての説明があったのも良かったです。
物語では「ラップで大事なのはディスる(批判する)事よりディグる(掘る)事」と説明していましたが、「ただ悪口を言うのではなく相手の事をよく知った上で言いましょう」というメッセージも素晴らしいと思いました。
HIPHOP精神に沿ったストーリー
色々と押さえつけられて本当は思っているのに口には出せないところを正直に吐き出してしまうというのが、HIPHOPの根幹の精神です。HIPHOPはそれを先人たちが国や権力者に主張したところから始まったレベルミュージックです。
この物語は心が通じ合っていない親子がラップを通じて本音を言い合い、お互いを理解していくというストーリーになっていて、普通のドラマとしてもHIPHOP物語としても非常にバランスが取れていて素晴らしいと思いました。
先のレクチャー要素もそうですがACE(エース)や晋平太が監修しているという事でこの辺のポジティブなバイブスはラッパーである彼らが伝えたい事でもあったんですかね?
もし現場にラップの関係者がいないで、よく知らない人達が素人イメージだけでこういうラップ物語みたいなのやったらこうはならないと思うので。
HIPHOP要素を取り入れたストーリーにしつつもコアになり過ぎず。繰り返しますが本当に素晴らしいバランスです。
通の玄人ディスみたいなのはやめとけ
話がつまらないとかはこの話に限らずどんなドラマでも個々の感想であると思うんですけど、ラップを題材にしたこういうのやると必ず出てくるのが硬派なラップ通による批判意見。
「演者のラップが下手すぎ」だとか「こういうのやるとHIPHOPが安く見られる」だとかね・・・でもさ、それドヤ顔で言うのはさすがにダルいよ?そういう事言ってるうちは「ヒップホップ信者ってめんどくさい人多いよね~」って言われてもしょうがない。
自分もヘッズのハシクレとしてアングラ思考は分からなくもないけど「遂に『世にも奇妙な物語』でラッパーが出演する時代が来たか。日本も徐々にラップが認知されてきたな~」くらいの心の余裕を持とうじゃないか。