SOUL'd OUT【ラッパー解説】「ダサい」というアングラからの批判。惜しくも解散してしまった病みつきラップグループ
今回はファンに惜しまれながらも2014年に解散してしまった耳に残る病みつきラップでお馴染みのラップグループSoul'd Out(ソウルドアウト)の紹介です。
メンバーはDiggy-MO'さん(ディギーモー)・Bro.Hiさん(ブラザーハイ)の2MCにトラックメーカーのShinnosukeさん(しんのすけ・以下敬称略)の3人。
m-floのVERBALが発掘し、デビュー曲『ウェカピポ』が爆発的話題となりオリコンチャートイン、そこからリリース毎にヒットを連発。うなぎ上りに人気と知名度を集めていきました。
ラップグループではありますがデビューから解散までHIPHOPシーンとのカラミはほぼなく、ジャンルとしてはどちらかと言うとJ-POPにカテゴライズされるという認識が正しいかと思います。
『アングラHIPHOP全盛期』に台頭した事で多くの批判も受けた彼らSoul'd Outの魅力を今回は解説させていただきます。
すげー耳に残る歌い方
Soul'd Outの最大の特徴はやはりDiggy-MO'のラップです。あの超独特な鼻声とクセがありまくるフロウはかなり、かな~り耳に残ります。それをサポートするかのようなBro.Hiの早口ラップと所々挟み込まれるボイスパーカッションは非常にハイセンスでした。
トラックも非常にキャッチーで聞きやすく、普段ラップを聞かない層にも大いに受け入れられ2003年のデビューから瞬く間にポップスターにのし上がりました。間奏に歌が入るのも聞き易さの特徴でしたね、キャリア後半に行くにつれどんどんポップ色が強くなっていきました。
「ウェカピポ」「Flyte Tyme」「Dream Drive」「Shut Out」などの代表曲が入ったファーストアルバム『SOUL'd OUT』を当時聴いていた人はかなり多かったんではないでしょうか。
楽曲にはホント中毒性があり、くどいですがフレーズがマジで耳に残るんですよ笑。聞き終わった後なぜか頭の中にずっと流れ続けるアレです。なので「なんか知らんけど何度も聞いてしまう」という謎のニコチン現象(?)を起こすグループでした。
Soul'd Out聴いてるヤツはダサい?
Soul'd Outが台頭したのは2003年です。このサイトのベテラン読者さん達には耳にタコができる程説明していますが2000年代初期のラップシーンと言えば?そう!『アンダーグラウンドストリートラップ全盛期』です。
つまりは歴史上一番HIPHOPが硬派な時代。『アングラ・ワル・ハードコア=本物』『売れている・ポップ=ニセモノ』という風潮が非常~~~に色濃く残る時代です。
アンダーグラウンドで活躍するラッパーはこぞってポップシーンで活躍するラッパーをディスり、その標的となったのはDRAGON ASH・KICK THE CAN CREW・RIP SLYME、そしてこのSOUL'd OUTです。
その思想は当然リスナーにも伝染し、当時のファンの間で「コレを聴いているヤツはフェイク(偽物)」「コレを聴いているヤツがリアル」という極端な村社会的排他思考がHIPHOPシーンには渦巻いていました。
自分もファーストは特に結構お気に入りでよく聞いていたのですが、SOUL'd OUTを聴いている事でなぜか先輩に怒られた事ありますしw、友達にも「SOUL'd OUT聴いてるとか恥ずかしいから言わないで」とか言われたりしましたw
まぁなんだかんだ自分もアングラフォロワーでしたが、さすがにコレはメンドクセーなとちょっとだけ思いましたね。
当時はこういった雰囲気なのでSOUL'd OUTのファン層はゴリゴリのヘッズと言うよりは、「HIPHOPがどうのこうの」という事にはそこまで興味がないポップなリスナーが中心だったと思います。
ただ、DRAGON ASHを除いたKICK THE CAN CREW・RIP SLYME・SOUL'd OUTなどはアンダーグラウンドからの批判は一切相手にせず、自分たちの活動スタイルを一貫していました。ドラゴンアッシュはまあ、アレでしたけどね・・・
【ドラゴンアッシュに関してはコチラ↓】
まるでニコチンのような中毒性
やっぱ紹介曲は『ウェカピポ』しかないでしょう!アーラアーラアラナーミダツ♪ココハアーバンナイ♪ウェカピポァ♪「荒波立つ」って言ってるんだっけな・・・まぁあんま何言ってるか気にしなくていいんでとにかく中毒性まじハンパないので聞いてみて下さい。
SOUL'd OUTは普段ラップを聴かない人でも非常に聴きやすい曲がほとんどなので気になった方は是非とも他の曲もチェックしてみて下さい!
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