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呂布カルマ【ラッパー解説】宗教・信者と批判された時代は終わり。フリースタイルダンジョン鉄壁の門番

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(2017年9月記事を大幅に修正しました)今回は、ここ最近で一気に日本のヒップホップシーンのトレンド的存在にまで昇りつめた呂布カルマさん(りょふかるま・以下敬称略)の紹介です。

2010年あたりからMCバトルで魅せるその奇抜なスタイルで徐々に注目が集まり、2016年前後に着火したMCバトルブームと比例するように一気に名を轟かせた呂布カルマ。

バトルブームの火付け役ともいえる人気番組『フリースタイルダンジョン』でも大活躍、現在は2代目モンスターとして抜擢されFORK・輪入道・呂布カルマの3強はチャレンジャーにとって大きな壁となっています。

 

 

押韻主義に反発した先駆者

たしか自分が最初に呂布カルマを知ったのは2010年代初頭の『UMB』だったと思いますが当時の彼は現在と違い当時は今ほどプロップス(評価)が絶対的なものではありませんでした。

バトルシーンに彼の名前が出始めた時にはまだ今よりも押韻主義の風潮が強く、呂布カルマのあえて韻を踏まないスタイルは万人から受け入れられていなかった印象があります。

自分も当時は今までの既存のバトル手法(R-指定・晋平太に代表される即興で韻を踏むテクニックを見せつつ相手を言い負かすスタイル)に魅力を感じていたので最初の頃はそれほど彼のバトルでアガる事はなかった気がします。

 

宗教くさいという批判

前述の理由で彼のスタイルは当時のトレンドとはかけ離れていたのですが、だんだんとそれに魅了されるファンも増えていき『韻を踏んでないのに会場が盛り上がる』という今までにはあまりなかった現象が起こっていました。

恥ずかしながら自分もそうだったのですが、これを受け入れないファンは「韻も踏まねえでなんで盛り上がってんだよ」という気持ちがあったんだと思います。現在ではあえて踏まないラップは全然普通になってますが当時はそんなことなかったんですよね。

なのでただ話しているだけ(に見える)彼のラップに歓声を上げるファンに対して「何言っても盛り上がるんだろどうせ!呂布カルマ教の信者共がよぉ!(怒)」という批判がけっこうありました。

当時を振り返ると、好きじゃない人には『何がいいのか理解できない』この感じがアンチがファンの事を『信者』と皮肉る由縁だったのかな?と今になって思います。

ラップだけではなく格好もオールバックにサングラスにガラシャツというラッパーとしてはかなりマイノリティないで立ちで、今までの既存のスタイルとはかけ離れていた革命的なスタイルでした。

 

一回ハマると病みつきになる呂布カルマの魅力

しかし呂布カルマが全国大会常連になってきて彼のラップを聞く機会が増えてくるにつれ最初は好きじゃなかった人も「あれ?ちょっとカッコイイかも・・・」ってなってくるファンがどんどんと増えていきます。

一度こうなってしまうと呂布カルマワールドに完全に取り込まれます。一回彼のカッコよさを分かってしまうともう抜けられない中毒性の様なものがあり、自分も完全に虜にされてしまいました。

フリースタイルダンジョンで最近彼を知った人は信じられないかもしれませんが、プロップスが完全に確立されていなかった2013~2015年くらいにかけてはファンも好き・嫌いが両極端なラッパーだったんですよね。

今現在はファンの大半からも完全に認められた存在になったので彼の事を宗教と皮肉る人もほとんど見なくなりましたね。

  

 バトルでのスーパーヘビー級のパンチライン


バトルでの呂布カルマの良さは「言葉の重み」とよく言われます。言い換えると「説得力」とも言えるような「言い回しのうまさ」とも言えるような韻を踏まずともとてもインパクトのある印象を観客と審査員に与えるワードセンスを持っています。

なので相手が固い韻を踏んでも「つまんねえ小手先の韻ばっか踏みやがって」みたいな事を言って会場を呂布カルマ勝ちの雰囲気に持っていくのが非常に上手く、大体ライム重視のMCはこのパターンでやられます。

 

彼や同じく韻を踏まないナイカMCなどの活躍もありバトル内で『韻を上手く踏んで勝つ』という押韻の重要性が低下するほど大きな影響をシーンに与えました。

そう考えるとフリースタイルダンジョン前シーズンでチェレンジャーだった呂布カルマを戦意喪失させたR-指定は凄すぎますね。日本最強バトルMCの看板は伊達じゃないです。

 

フリースタイルダンジョン鉄壁の3強

2017年から始まったフリースタイルダンジョン新たなシーズンの2代目新モンスターがあまりに強すぎてチャレンジャーのダンジョン制覇は不可能ではないか、と言われています。

その最大の理由はFORK・輪入道・呂布カルマというタダでさえ勝つのが難しいS級バトルラッパーを3人抜きしなければいけないからです。しかも3人ともタイプが全然違うという超高難度設定。

フリースタイルダンジョンの記事でも何度か言及させてもらっていますが、なんならこのままモンスター達が無双したままシーズン終了って展開でもそれはそれで面白いんじゃないかなんて思ったりもします笑。

 

音源ではさらに際立つ彼の世界観

呂布カルマと言えばバトルMCのイメージが強くもちろんバトルもカッコイイのですが、まだの人は是非音源もチェックしてほしいです。

YOUTUBEの再生回数を見る限り代表曲は「俺の勝手」「オーライオーライ」ですかね。両方とも名曲なんですが、個人的には3rdアルバムのタイトル曲「STRONG」がヤバくてipodでずーっと聞いてました。まだの人は是非チェックしてみて下さい。

他にもたくさんのラッパーを語らせてもらってます。良かったらこちらから覗いてやって下さい。ラッパー解説 カテゴリーの記事一覧