GADORO【ラッパー紹介】自らを『クズ』と呼びそこから這い上がったKOK2016 2017の2連覇チャンピオン
※記事を更新予定です
今回は鎖グループ主催のMCバトルイベント『KING OK KINGS 2016』優勝、そしてその直後にリリースされた1stアルバム『四畳半』が話題となるなど2017年になって一気に人気が爆発したGADOROさん(ガドロ・以下敬称略)の紹介です。
GADORO独特のファッションにクールなキャラクター、バトルでのマシンガンのようなライミングの連打で2013年の台頭当初のファンの度肝を抜いた男です。
今回は個人的にもかなり好きなラッパーでもあるガドロの魅力をお伝えしていきます。
彗星のごとく現れた押韻職人
自分が初めて彼を知ったのは2013年『UMB』の予選で、youtubeでUMBの宮崎県予選の予告編みたいなのを見ていてなんとなくダウンロードして聞いてみたのが最初です。
正直、当時の宮崎県のラッパーはよく知らなかったですし2012年のUMBで大活躍したMOL53がエントリーしているので一応聞いてみるか、くらいな感じでした。
しかしこの大会で一番気になったのは当時全く無名だったこのGADOROという男で、とにかく韻を踏んで踏んで踏みまくる徹底した押韻スタイルに驚愕したのを覚えています。
現在は押韻偏向型のバトルMCは当時ほど評価されない傾向にありますが、2013年時点ではここまでライミングテクニックが洗礼されているラッパーは全国でもかなり少なかったと思います。
当時はチプルソが大好きだったので、GADOROのスタイルが彼に酷似している事も気なった理由かと思います(この辺は後述)。
黒歴史と言われているUMB2013宮崎予選
【MOL53の解説はコチラから↑】
この宮崎予選でGADOROは圧倒的なライミングスキルを見せつけ、ノーマークだったところから半ばダークホース的に予選決勝まで上り詰めます。相手は大方の予想通り決勝戦まで上って来た全国区のMOL53。
炎上請負人の異名をもつMOL53のバトルスタイルは相手を煽って煽りまくる、ハタから見ていても「うわーこれはムカつくだろうなー」と思うような相手を逆なでるスタイルです。
このバトルはかなり感情の入ったバチバチの試合になるのですが、MOL53に挑発されたGADOROが炎上(我を忘れてブチ切れた)してしまい優勝を逃してしまうという衝撃的な結末に終わります。
MOL53もかなりカッコいいラップをカマしていましたし、GADOROが小節を数え間違える場面が何度かあったので仮に冷静に戦っていたとしても勝敗は分かりませんでしたが、GADORO本人もファンからもこの出来事は黒歴史と言われています。
ただ、クールなだけじゃないこういう熱さ、若さを垣間見せるガドロの姿は自分は嫌いじゃないんですよね。この試合ではありませんが相手のバース中に中指を立てるガドロの振る舞いとかも個人的には結構好きです。
ちなみにこの戦いは今でもバトルヘッズの語り草となっていて、ここからこの2人ライバル関係が始まるので、MCバトルの歴史の重要な1ページともいえるバトルとも言えます。
チプルソの存在
【チプルソの解説はコチラから↑】
軽く前述しましたが2010年代前半に活躍した大阪のバトルMCでチプルソというラッパーがいるのですがおそらくGADOROは彼に大きく影響を受けていると思われます。
韻の踏み方やフロウ、立ち振る舞い(相手のターンの時に下を向いて静止する)もかなり似ていて、バトル中も「チプルソの真似」と突っ込まれる事が非常に多く、2013年、2014年あたりは確かに酷似していました。
ただ進化した現在のGADOROは自分のスタイルを確立していて、音源でも「チプルソの物真似、今じゃとっくに超えてるその壁」というラインを残しています。
劣等感を武器にする彼のスタイル
自分がGADOROを好きな理由はフリースタイルがうまい事もそうなんですが、それよりも音源での自己表現にとてもHIPHOPを感じたからというのが大きな理由です。
2017年彼はファーストアルバム『四畳半』をリリースしますが、このアルバムが発売されると聞いた時は「俺のテクニックは本物だ!よくチェックしとけ!」みたいな感じの若さ溢れるテクニックで魅せるアルバムなのかなーと思っていました。
しかし実際聞いてみるとまったくコンセプトは別物で「俺はこんなにダメな人間だ、でもそこから変わって這い上がるんだ」といったような自分の人生や内面を綴った曲が非常に多いです。
代表曲『クズ』は現在三百万再生を突破し、非常に評価が高い理由も誰もが少しは持っているであろう劣等感に響くからではないかと思います。
自分も「はぁ~俺ってダメだな~」って気分の時によく黄昏ながら聞いてます。聞いたことない方、ラップに興味ない方も是非聞いてみて欲しい1曲です。
2017年11月にはセカンドアルバム『花水木』もリリース。こちらも素晴らしい出来となっています。気になった方は是非とも今後のガドロをチェックしてください。
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