チプルソ【ラッパー解説】バトル引退が惜しまれた押韻職人。フリースタイルダンジョン出演はあるのか
今回は職人技とも言える神ラインミングで2010年代前半のラップバトルを盛り上げた立役者の1人チプルソさん(以下敬称略)の紹介です。
現在のラップバトルブームが始まる前にMCバトル戦線から引退してしまった事で当時のファンからは「『フリースタイルダンジョン』に出場してほしい」という声が多く上がっているラッパーでもあります。
ライブでもDJがバックでトラックを流しラッパーがそれに乗せてラップをするという既存のスタイルではなく『NO DJ 1MC』という1人でアコースティックギターを持ちながらラップをするというパフォーマンスも異例でした。
バトルが強いというだけでなく音源の評価も非常に高く、現在の活動からも目が離せないそんな彼の魅力を解説させていただきます。
即興で韻を踏む技術は日本NO.1候補
彼がMCバトルから引退して何年か経った今でも「チプルソといえばバトルが強い」というイメージのファンはかなり多いと思います。
それくらいチプルソはめっちゃくちゃ強かったです!彼は大阪ですが、大阪と言えば当時は絶対王者R指定や彼の所属する『梅田サイファー』の面々、韻踏合組合のERONEやHIDADDYが出場していましたから、チプルソはその激戦区から台頭した事になります。
彼の最大の売りは『韻の技術力』。とにかく踏んで踏んで踏みまくって相手とライミングスキルでの圧倒的実力差を見せつけて勝つという伝統スタイルです。
2017年現在のラップバトルのトレンドとしては今までのこの『上手く韻を踏む』という事に関しての重要度がやや下がってきている風潮がありますが、そんな今の時代でもチプルソレベルなら話は別なんじゃ、、、と思うくらい上手いです。
さらにチプルソの場合、スラングを多用した英語交じりの無理やりの押韻ではなく綺麗な日本語で韻を踏むので何を言ってるのかとても分かりやすいですし、さらに活舌も良いので非常に聞き取りやすくお客さんにも伝わりやすいのが魅力です。
GADOROは昔、彼をモデリングしていた
この徹底した押韻主義のスタイルに影響をうけたバトルMCは多いかと思いますが、9sariグループ主催『KING OK KINGS』2016・2017全国王者のGADORO(ガドロ)もその1人だと思います。
GADORO解説の記事でも触れましたがスタイルや立ち振る舞い方が(特にGADOROが出始めた時は)非常に似ていた記憶があります。
今ではそれを乗り越えオリジナルのGADOROスタイルを確立していますが当時はバトル中も「チプルソの真似だろお前」と幾度となくディスられていましたね。
というか、GADOROが台頭し始めた時はすでにチプルソが引退して時間が経っているにもかかわらずバトル中に彼の名前が何度も出てくるところを見ても、ラップバトルシーンでチプルソの存在がどれだけ大きかったかが分かりますね。
フリースタイルダンジョン出演の可能性
今までのチプルソの活動の流れから見て彼は2014年あたりからバトルの場からは完全に姿を消しているので今後バトルには参加しないのではないかと予想しています。
しかし2017年の7月28日のヒップホップラジオ【WREP】の『BUTTLE FIELD(バトルフィールド)』の放送ではZEEBRAが「もしフリースタイルダンジョンに出たいのであれば話しますよ」的な発言していた事で微かな、ほんの微かな期待が沸き上がりました。
『戦極MCバトル』のオーガナイザーMC正社員もチプルソにはよく「またバトル出てよ」というような事を言っているらしいのですが本人は「いやぁ、自分はいいですよ」というような反応の様です。
ファンとしては「もう一度チプルソがバトルで闘う姿を見たい!」って感じですよね。いや~ホント見たいな~チプルソもう一度見たいな~
チプルソの世界観が際立つ音源
チプルソが音源で表現する世界感はバトルでの攻撃性とは一線を画すポエトリーな表現のものが多く、こちらもファンから絶大な支持を得ています。
客演にも多く出演していてタイトルに『feat.チプルソ』と入っているだけでファンなら間違いなく気になってチェックしてしまう人も多いでしょう。
アコースティックギターに乗せた緩やかなラップもすごくいいですし、ラップ自体が物凄く上手いので言葉遊びを楽しみながらビートに乗っている曲もカッコイイですので気になった方は是非チェックしてみて下さい。
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