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妄走族【ラッパー解説】ザ・不良スタイル!2000年代の日本語ラップ界を荒らしに荒らしたハードコアグループ

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今回は2000年代初期のストリートラップ全盛期、HIPHOPシーンの最前線で暴れまわっていたハードコアグループ妄走族(もうそうぞく)の紹介です。

メンバーは般若(はんにゃ・途中で脱退)・MASARU・剣桃太郎(つるぎももたろう)・神(がみ)・ZORRO(ぞろ)・DEN(でん)・565(ごるご)・KENTA5RAS(けんたうらす)・DJ TURBO(ターボ)・JACK HERER(ジャックハーラー・敬称略)の8MC2DJ。

フリースタイルダンジョンのラスボス般若の人気もこのグループでの活動で一気に注目を浴びた事がきっかけで、妄走族なくしては現在の彼のプロップスはありあえないと言っても過言ではありません。

2015年に解散してしまったものの、当時からの日本語ラップファンにとってはジャパニーズヒップホップを語る上で彼らの名前は出さずにはいられません。

 

 

不良スタイルを武器にシーンで大暴れ

このブログでも何度も解説させていただいている通り2000年代初期の日本のHIPHOPシーンは『ワル=リアル』という風潮が現在よりもかなり色濃い時代で、その不良スタイルの最前線を走っていたのが彼ら妄走族です。

三軒茶屋愚連隊という暴走族から派生したグループだけあって、MSCの様なHIPHOPハスラー感を匂わせるアウトローグループというよりは『日本的な不良がラップをやっている』というイメージが近い感じです。

 

B-BOY PARKで彼らを初めて見た時はとりあえずあまりのガラの悪さに驚愕したのを覚えています。上下ジャージにパンチパーマの人がラップしているのを初めて見ましたし、般若の暴れっぷりもまさに鉄砲玉という感じでしたね。

現在よりアウトロー色が強かった当時のHIPHOPシーンですが、ここまで『ワル』を前面に押し出したグループは他にいなかった気がします。アウトレイジより前に「バカヤロー」を決まり文句にしていたのが彼らですね。

 

掟破りの『カチコミ』

これもまた凄いんですが、彼らは『カチコミ』と称し他のラッパーのライブに無断で乗り込みそのままステージをジャックするという荒業を繰り返しシーン内に悪名を轟かせました。まさにHIPHOP戦国時代ですね。

ちなみに妄走族に限らずHIPHOPのライブの客層も今より遥かにガラが悪かったです。以前の記事【これ読んで知ったふりしろ!日本語ラップの歴史と世代別のファンの特徴を語る】でも語りましたがピリピリ感がね・・・もうね。

 

個性溢れるラップ

しかし、彼らがただの暴れん坊で目立っていただけかと言えばそれは違います。8人からなるマイクリレーはそれぞれのキャラが立っていて個性的でしたし、ラップのスキルが高いメンバーが多く聞きごたえがありました。

妄走族が一番乗っていた時期には次々とメンバーがソロデビューしていき、そこで一番人気があったのが般若でした。今はもう業界を背負う立場になってしまいましたね、この頃から振り返ると非常に感慨深いです。

 

妄走族の様な大人数のMCを抱えるグループ、当時だとNITRO MICROPHONE UNDERGROUND韻踏合組合(当時7MC)・SHITAKIRIⅨ・SD JUNKSTAなどが見せる多人数マイクリレーが個人的にはとても好きです。

今は7人とか8人以上のMCがいるグループってあんまりないですかね。KANDY TOWNは10人以上いるので凄いです。

 

般若のイケイケ度合いが懐かしい

曲紹介は『PROJECT〇妄』にします。今の丸くなった般若思い浮かべてからコレ見るとギャップにビビりますね、イケイケです。

もうおそらく時代的にもこういったグループは二度と出てこないと思うので、是非とも当時の不良ラップをこの際お試しあれ!

他にもたくさんのラッパーを語らせてもらってます。良かったらこちらから覗いてやって下さい。ラッパー解説 カテゴリーの記事一覧