D.O(ディーオー)【ラッパー解説】ストリートラップシーンを代表するアウトロー『練馬ザファカー』のリーダーD.O
今回は練馬をレペゼンするギャングスタラッパー、デンジャラスオリジナルことD.Oさん(ディーオー・以下敬称略)を紹介させていただきます。
もともとHIPHOPシーンでは有名でしたがバラエティー番組『リンカーン』で「中川家の剛がラップ体験をする」という企画が人気になったことでさらに知名度が広がりました。
その後の麻薬取締法違反での逮捕を乗り越え、現在は漢a.k.a.GAMI率いる9sariグループに所属しています。
キャラクターも非常にユーモラスで人気がありつつも、スキャンダラスでデンジャラスなD.Oの魅力を解説していきます。
独特の鼻声でのギャングスタラップ
D.Oの音源を聞いたことがない人は「ギャングスタラップ」と聞くと低くて図太いダミ声みたいなのを想像するかと思いますが、彼はそうではなくやや鼻声の高い音で歌う独特のラップをします。
歌詞の内容なども相当にアウトローな内容で、耐性がない人だと一曲で胃もたれするドープな表現がされています。
「景色が流れる夜の首都高、ディッキーズの上下に目出し帽、ツレが用意した真っ黒いワゴン、ナンバーを偽装したパクリもん、時間をかけずにさらうぞ、しっかり縛っとけよ靴紐、見つけたらすぐに痛めつけろ暴れたら刺しちまえ2,3か所」
現在でもストリートラップは人気ですが、現在の音源はここまでバイオレンスを直接的・具合的に表現するリリックはあまりないです。この過激な表現をかっこよく見せるところも彼D.Oの魅力です。
耳に残る歌い方
ではD.Oはただ歌詞が過激なだけのインパクト勝負のラッパーかと言えばそれは違います。とりあえず単純にラップがめっちゃくちゃ上手いです。
韻も固くて聞き取りやすいですし、なんといってもD.Oの専売特許とも言える独特のフロウとあの鼻声はかなり中毒性があります。言葉のワードチョイスも他のラッパーとは一線を画す表現で攻めてくるので聞いた後耳に残るようなフレーズが多いです。
本人の音源以外でもフィーチャリングなどの客演でD.Oがいると他のラッパーを喰ってしまってダントツの存在感を示している事も多く、彼のバースに入ると「おっ」となるHIPHOPファンも多いのではないでしょうか。
彼の歌唱法は日本のヒップホップシーンでも似ている人がおらず完全なオリジナルスタイルを確立しています。
トークが面白い
そんなD.Oですが彼はラップが上手いという事だけでなく、喋るとめちゃくちゃ面白いというのも大きな魅力の1つです。
冒頭でも言及した通りバラエティー番組『リンカーン』の中川家剛のヒップホップ体験企画では、剛がD.O率いるラップグループ『練馬ザファッカー』にラップを習いに行くというものでした。
そこでの彼の喋りは非常に面白く、そのトークスキルはお茶の間にも伝わったようで「~メーン♪」という口癖も有名になり当時D.Oの人気はどんどんと高まっていきました。
今では完全に世間に浸透し市民権を得つつある「ディスる」というHIPHOPスラングを一般に浸透させたのは間違いなく彼ら練馬ザファカーでしょう。
【9sariチャンネルでのD.Oの喋り(5分くらいから本領発揮w)】
麻薬取締法違反での逮捕
リンカーンで人気に火が付きこれからどんどんと活動の幅も広がっていくであろうと思った矢先、彼はコカイン所持で逮捕されてしまいます。
これによりまもなくリリース予定だったセカンドアルバムは発売中止となりキャリアの足止めを余儀なくされてしまいます。
執行猶予が付いたとはいえ『リンカーン』で人気がでたすぐ後の事件だった為、各ニュースでも取り上げられ大きな話題となりました。
この事件直後にリリースされた『I'm back』での「麻薬取締法での逮捕はクソッたれにお似合いのカルマだ」という一節が印象的です。
アウトローなスタイルが好きな人におすすめ
当ブログでの最近のラッパー紹介は「ワルい印象のあるラッパーですがそういったものが苦手な人におすすめ」というようなアーティスト紹介ばかりでしたので、今回はゴリゴリの正統派ストリートラッパーをチョイスさせていただきました。
ストリートラップが好きな人はもちろん、そうでない人もワルな気分になりたい時には是非このD.Oを是非チェックしてリアルヒップホップを体感してくださいッ。
他にもたくさんのラッパーを語らせてもらってます。良かったらこちらから覗いてやって下さい。【ラッパー解説 カテゴリーの記事一覧 】