NITRO MICROPHONE UNDERGROUND【ラッパー解説】惜しくも活動休止してしまった伝説のグループ、ニトロ!
今回は2000年代の日本のヒップホップシーンに爆発的ムーブメントを巻き起こしたグループNITRO MICROPHONE UNDERGROUND(ニトロマイクロフォンアンダーグラウンド)の紹介です。
DABO・DELI・SUIKEN・BIGZAM(BIG-Z)・S-WORD・MACKA-CHIN・XBS・GORE-TEXの総勢8MCからなるグループです。2000年代の日本語ラップを語る上でこのニトロマイクロフォンアンダーグラウンドの名前を出さない訳にはいきません。
ニトロの台頭と共に始まった新たな時代
2000年代初頭の日本のヒップホップは革命的な時代といえると思います。90年代に活躍した雷家族・Microphone Pajer・キングギドラ・Buddha Brand・RHYMESTERなどを前世代とするなら、この界隈とは別の新たなラッパー達が次々と台頭し始めた時代です。
東京ではこのニトロをはじめ、般若のいた妄走族、漢 a.k.a. GAMI率いるMSC、関西では韻踏合組合、横浜ではOZROSAURUS、名古屋ではTOKONA-XのいるM.O.S.A.D.などなど、他にも各地からたくさんのセンセーショナルなラッパーが台頭し始めた超黄金世代とも言えます。
さらにこのアングラストリートラップブームとは別にオリコン上ではDRAGON ASH(当時はラップもしていた)やRIP SLYME、KICK THE CAN CREWなどが次々とチャートインするなど日本のHIPHOPはお祭り状態でした。
そんな中でも特に話題をかっさらっていたのがこのNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDです。それくらい当時のHIPHOP業界はニトロニトロニトロ祭りでした。
当時のストリート系の各雑誌を開けば例外なくニトロのメンバーの姿がありましたし、自分の地元の新星堂にはニトロの特設コーナーがあったほどです。
多人数のMCが流行っていた?
2017年現在は5人以上でマイクリレーするグループはあまり見かけない気がします。別に流行っていたわけではなくたまたまでしょうが当時はニトロや妄走族、韻踏合組合(当時7MC)、福岡のShitakili ⅨやSEEDAのいるSCARS、NORIKIYO率いるSD JUNKSTAなど多人数MCで構成されるグループがたくさんありました。
誰が言っていたのか忘れましたが最近聞いたラジオで「1曲3人か4人くらいがちょうどいい、それ以上は多い」みたいな事を言っていましたが個人的には多人数でのマイクリレー曲は結構好きな構成です。
当時の自分のディグり方は6人も7人もMCがいれば1人くらい好みのラッパーがそのグループには必ずいてそこからまた掘っていくみたいな手法(?)をとっていました。
8人のメンバーそれぞれがソロでも活躍
2000年10月に発売されたニトロの1stアルバムが巷で大ムーブメントを起こして以降、グループ名義のCDリリースに加え、メンバーそれぞれが次々とソロにも力を入れていたので、当時高校生だった自分の財布のHPでは全く足りない!
今ほどネットも発達してなかったので音源にたどり着くにはCDを買うか借りるという正攻法しかなかった・・・まあ、音楽業界としてはそれが健全なのでしょうが、とにかくCD代にお金がかかった思い出があります笑
上記で挙げたようなニトロ以外のグループもチェックしたりと、とにかく欲しいCDが多かったです。ここら辺が直撃世代のファンは同じような人も多いのではないでしょうか。
活動休止後も残り続ける存在感
2012年にニトロは活動休止するのですが、メンバー曰く
「NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDというのもソロで活動していたメンバーが集まって取り敢えずでつけた名前で正式にグループとして活動していたわけではないし、特に何も変わらない」
といったような事を言っています。
が、ニトロ名義でのアルバムでアガったファンも多いでしょうしやはり8人でのマイクリレーをもう見れないと思うと少し寂しいです。
2016年にあったイベント『さんぴんCAMP2016』で久々に8人揃い踏みで代表曲『NITRO MICROPHONE UNDERGROUND』を歌った時は感動しました。
あの会場の盛り上がりを見てニトロファンの多さを再確認しましたし、やはり8人での活動を再開して欲しいというファンもきっと多いでしょうね。
まとめ
『フリースタイルダンジョン』や『高校生ラップ選手権』などで最近ラップを覚えたファンの方々はニトロ直撃世代ではないかもしれませんが、上で紹介した代表曲くらいは覚えておいてもいいと思います。あのトラックはバトルでもよくかかりますよ♪
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