ACE(エース)【ラッパー解説】フリースタイルダンジョンでもお馴染み、日本育ちのブラジル人ラッパー
今回は人気ラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』のラスボス般若の執事役(山下新治)でもお馴染みのブラジル人ラッパーACEさん(エース・以下敬称略)の紹介です。
ラップバトルでの数えきれない優勝及び全国大会常連者というのはもちろん、音源制作などのアーティスト活動以外にも最近ではバラエティ番組でも顔を見るようになりました。
知名度も人気も右肩上がりの彼の魅力を解説していきます。
ハーフではなく、日本育ちのブラジル人
日本語をネイティブに話すのでハーフかと思っている人もいるようですが、ACEは親の仕事の都合により3歳から日本に住んでいる純血のブラジル人です。
ブラジルの公用語であるポルトガル語も話すことができ、ステージでもポルトガル語でのラップも見せてくれた事があります。日本語とポルトガル語はネイティブで、さらにスペイン語、英語、般若語(笑)の5(4)か国語を話せるようです。すげえ!
肌の色の違いで経験した理不尽
小さい頃は肌の色の違いから白い目で見られたり、普段もクラスメイトからあまり話しかけてもらえなかったり、クラスで飼っていた生き物が誰かに殺された時は「アイツがやったに決まってる」と決めつけられたり、そういった理不尽な扱いをされる事が多かったといいます。
本人は「『あの子とは遊んじゃダメよ』って言われてたタイプ」と話しますが、そういった経験から「''アイツは'凄い''と思わせて周りに自分の存在を認めさせてやりたい」という気持ちが小さい頃からあったと語っています。
ラップ自体は小学生の時からやっていたそうですが一緒にラップをやる友達などはおらず、高校生で後に相棒になるHIDE(2人でユニットSound Luckを結成)と出会うまではずっと1人でラップをしていたそうです。
HIPHOPは過去のネガティブな出来事を逆に原動力とすることができる素晴らしい音楽ですが、彼もまた人種間の軋轢という逆境を乗り越えて、その人生を武器にしたラッパーですね。
彼の意外なルーツ
ラップが職業の人に「ラップを始めたきっかけは?」という質問をすると多くのラッパーが洋楽のHIPHOP音源や比較的アンダーグラウンドの邦楽HIPHOPがきっかけになったというのはよく耳にします。
ACEの場合は「小学生の頃V6がやっていたバラエティ番組『学校へ行こう』でラップをやっている人がいてそれを見て楽しそうだと思ったから」という面白いルーツがあります。
そこから聞き始めたラップも当時流行っていたストリートラップではなく、KICK THE CAN CREWやRIP SLYME、SOUL'd OUTだったりするのも意外です。
確かにACEの音源を聞いていても「肌の色の違いで受けた差別、でも俺は負けないと誓った!」といったような自分の経験をシリアスに歌うものは意外と少なく、聞き手をあまり重い気分にさせないようなものが多いのでこの辺はなるほど!という感じです。
もっとも影響を受けたアーティストは大人気バンドのアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)というのも非常に面白いです。今でもアジカンの大ファンだそうで自身のアルバムでも共演していますね。
アニメも大好きという事でとりあえずものすごく親近感がありますね。実際にファンからもかなり愛されているラッパーの1人です。
奥さんはラッパーのCHARLES
ACEは2017年現在で27才くらいだったかと思いますがすでに結婚しており奥さんは同じくラッパーのCHARLES(シャルル)です。2017年1月に無事に子供も生まれ幸せいっぱいですね♪
ラッパーとしての2人の関係は師匠と弟子にあたります。シャルルはとても可愛いですしラップも上手ですのでとても人気のあるフィメールラッパーの1人です。
夫婦でラッパー、しかも2人ともバトルMCなので夫婦喧嘩の際には韻を踏みながらの超ハイレベルなディスリ合いバトルが繰り広げられるのでしょうか笑
ラテンと和の心を両方持ち合わせた男
兄弟で出場。カッコイイです!
ACEはとりあえずなんか親近感のあるキャラで、優しく面白い人柄ふくめ結構みんなが好感を持っているラッパーですね。弟のLUIZ(ルイス)も『高校生ラップ選手権』に出場している期待の若手で彼も非常に楽しみです。
ACEのバトルはバイブス、韻、リズムのどれをとっても一級品ですので興味のある方は是非ともチェックしてみて下さい。バラエティ番組などでACEを見かけたら「コイツはなかなか凄えぜ」と一緒にテレビ見ている人にも教えてあげて下さい。
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