R-指定(Creepy Nuts)【ラッパー解説】日本最強のバトルMCでありフリースタイルダンジョン最強のモンスター
今回は大人気のラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』の初代モンスターでもお馴染みのR-指定さん(あーるしてい・以下敬称略)の紹介です。
元々は同じくラッパーとして活躍中のKOPERU(コペル)と『コッペパン』というユニットを組んでいたが活動を休止。
現在はDJ松永とのユニットCreepy Nuts(クリーピーナッツ)として活動し、ファンからも支持の厚いこの男の魅力を解説します。
フリースタイル実力ナンバー1の男
ラップバトルの正式な日本ランキングのようなものがあるわけではないので、正式にこのR-指定が最強と決めつける事は出来ませんが、「史上最強のバトルMCは誰か」とヘッズに投票やったらおそらくこの男の名前が一位になるのではないかと予想できます。
人によっては絶対王者的存在と認識する人もかなり多いと予想できるくらいバトルはめっちゃくちゃ強いです。
R-指定の活躍当時は『UMB』というラップバトルイベントがおそらく日本で一番高いレベルだったと思いますが、彼はその大会で3年連続日本一になっています。
これは結構とんでもない事で、UMBの全国大会は超一流のバトルMC達が終結するので非常に実力が拮抗しています。
その中で頭1つ抜けるということは本当に凄いんです。自分も当時のR指定を見ていて「これは誰も勝てないぞ」というくらい強かったのを覚えています。
名勝負製造機
彼と対戦するラッパーはいつも以上のハイパフォーマンスを発揮する事が多いため、彼のバトルは名勝負だらけです。
その理由としては彼の実力が日本トップであるという印象を自分達ファンだけでなくバトルで対戦するラッパーも持っているからだと思います。
そのため対戦相手は「王者のコイツを倒してのし上がる」という気合いがみなぎっている事が多く、特に2013、2014年あたりはその傾向が顕著に見られた気がします。
それでも彼はほとんど負けませんでした。相手の力を120%引き出した上で勝ち続けるR-指定は本当に凄いです。
病んでいた王者時代
ファンから見れば、バトルで名を上げラッパーとして華やかな毎日を送り精神的にもさぞかし充実しているんだろうな、と思ってしまいます。
しかし本人はこの頃周囲のプレッシャーから、審査員も観客も「全員が敵に見えた」というほど疲弊していたらしく生活も乱れていたと語っています。本人曰く「カイジ(ギャンブル漫画の主人公)みたいな生活で毎日プラプラしていた」との事。
そのため、2014年の『UMB』優勝以降は『フリースタイルダンジョン』のモンスターになるまで大会には一切エントリーしていません。
それからファンの間で「バトルMCはバトルに強いだけで音源はダサい」と言われ出したのもちょうどこの頃です。
彼も劣等感を武器にした一人
このブログでも何度も言っている「HIPHOPは劣等感を武器にできる」という最大の特徴がありますが、彼もヒップホップにより劣等感を昇華した一人です。
『ラップバトルで相手を負かしてきたチャンピオン』と聞くとさぞかし「気が強くて自分に自信がある人なんだろうな~」とイメージしてしまいます。
が、R指定自身まったくそのようなタイプでないと本人も言っています。
「子供の頃は家で一人で遊んでいたし、頭がよかったわけでもなく運動もできなかった。流行っているゲームとかも知らない、取り柄が何もなかった。ラップをするまでは周りが自分に反応してくれる事がなかった」
というような事を語っています。
バックボーンがない
ラッパーというのは例えば「家が貧乏でそこから・・・」だったり「昔はワルで波乱万丈な・・・」といったような強烈な生い立ちを歌うアーティストも多いです。
しかし彼は「自分の人生、歌にするような何かがあったわけではない」と語り学生時代の自分を『取り柄のないイケてない男子』と言っています。
少し乱暴な言い方をしますが実は波乱万丈な人生を送った人が「逆風でも諦めないで夢を追いかけろ」と言うよりも、普通で地味な人生を送った人が『特に胸を張って語れる事がないが故の劣等感』を語る方が共感できる人が多いのではないか?と思います。
そういった人たちの代弁者がこのR指定なのです!
そんな彼だからできる皮肉った楽曲
そんなR指定だからこそ、どちらかというと『スター』ではなく『普通の人』の視点で見る事のできる皮肉ったCreepy Nutsの音源は非常に面白いので是非チェックしてみて下さい。
音楽業界を皮肉る曲
ネット弁慶を皮肉る曲
他にも色々ありますのでもし興味ありましたらチェックしてみて下さい。
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