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年末特番Monsters War 2017を視聴した感想を語る!フリースタイルダンジョン解説(放送日2017年12月30日)

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2017年12月30日にAbemaTVで放送されたフリースタイルダンジョンの年末特番『Monsters War2017 ~お前ら時代に忖度してる場合じゃねえぞ!全員ブッ潰してやるスペシャル』の感想・考察です。

いつものようにバトルを1試合1試合解説していくととんでもなく長くなるので、まず冒頭で結果を発表させていただき、その後チーム総評や自分の感想などを書き綴っていきます。

 

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優勝・MVP

この後チームについても語りますが、結果から先に発表すると優勝して300万円を獲得したのは大本命の呂布カルマチームを倒した輪入道・MU-TON・DOTAMAチームとなりました。

やはりなんだかんだ言って呂布カルマ・R-指定・晋平太チームが予想通り優勝するのではないかと思っていましたが、他のラッパーが言及していた通り最後はチーム力の差で彼らの個々の力を輪入道達が凌駕した戦いになりました。

MVP賞の100万円は輪入道がGET。自身の安定感のあるラップに加え、MU-TON・DOTAMAの良さを引き出すような話運びが評価され、最優秀MVP賞に輝きました。

優勝賞金の使い道を聞かれたDOTAMAは「NAIKA MC、ハハノシキュウのお子さんの為の養育費に使ってもらえればと思います」と言っていましたね。なんてデキた人だ!

 

 

 

チーム総評

番組最初は2代目モンスターが選抜6人の中から1人、初代モンスターの中から1人を指名して3人チームを結成するためのドラフトが行われました。どのチームもそれぞれの色があって非常に面白かったですね。以下はバトルを見終わってからの感想です。

 

崇勲・NAIKA MC・Chico Carlito

崇勲チームはナイカMCとチコカリの3人となりました。普段から中の良い3人という事ですがナイカと崇勲という曲者2人にラップフィジカルの高いチコというチームはなかなか面白そうな組み合わせです。

やっぱりナイカMCはチーム戦が上手いですね。キャラクター的にもイジりやすい、イジられる事が多い彼は多人数がいる舞台上でも主役になりやすいですし、コミカルとシリアスの使い分けも上手いので非常に目立っていました。

 

NAIKAと崇勲はラップ自体の聞き映えで魅せるタイプではないので、そんな中に普通にラップがカッコいいチコカリがいる事で彼のラップがより映えるような構造になっていました。

崇勲は敗戦の原因を「自分のせいだ」と言って結構ガチでヘコんでいて今までファンには見せた事ないくらいの感じで落ち込んでいましたが、持ち前の魅力あるキャラクターでバトル・日本語ラップをこれからも盛り上げていって欲しいです。

 

 

裂固・じょう・T-Pablow

裂固チームはじょう ・ティーパブロのの3人です。全員が高校生ラップ選手権王者というチャンピオントリオは豪華ですね。すでにフリースタイルバトルから離脱しているパブロがどういったラップをするのかが楽しみでした。

それとTパブロのバトルに懸けるモチベーションもどういった感じなのか気になったので試合前のコメントでも彼が何て言うのかとても注目していました。

自身のクルーBAD HOPでの活動がメインとなりおそらくこれからバトルに出る事はもうないと思われますので、彼が「本当は別にやりたくないけど義理でしょうがなく出た」感バリバリの姿はあんまし見たくないなーなんて心配していました。

 

実際のバトルでは、2人との温度差は多少なりとも感じたもののやっぱりTパブロはブランクを感じさせないくらいとてもカッコよかったですし、じょうとTパブロが組んで共に戦っている姿などもファンとしてはかなり胸アツな絵でした。

何て言うんですかね、例えるならアニメとかで敵キャラ同士が組んで戦っている時の様な特別感は堪らなかったです。もうこれでTパブロのバトルは本当に見納めになると思うと寂しいですね。

 

 

FORK・SIMON JAP・サイプレス上野

FORKチームはSIMON JAPとサ上の3人。裂固チームとは反対にこちらはベテランチーム編成となりました。やはり各チームともバイブスの合う同世代の方が息が合ってやりやすいという事も考えた人選が多いですね。

このチームも非常に面白かったですね~。SIMON JAPは2014年いっぱいでバトル引退宣言しましたが、2017年の半ばあたりからまたMCバトルシーンに顔を出しているのでブランクはなさそうです。

 

対戦相手からはやはりFORKやSIMON JAPよりもイジりやすく攻撃しやすいのか、サイプレス上野が集中攻撃にあっていましたね。サ上もその辺は慣れっこかと思いますので逆にそれを生かしたバトルとなっていました。

この3人はチームとしての絵がカッコよかったです。クールなFORK、ユーモアのサイプレス上野、アウトローのSIMON JAPというそれぞれの尖ったキャラクターが起こす化学反応とベテランの立ち振る舞いは最高でした。

試合後のSIMON JAPの「つーか俺ら別に負けたと思ってねーし」ってセリフが彼らしくてニヤッとしました。

 

 

呂布カルマ・R-指定・晋平太

呂布カルマチームはR-指定と晋平太の3人です。実力ではおそらくバトル歴代トップ2であろう2人に呂布カルマという反則みたいなチームが出来上がってしまいました。個々の戦力では間違いなくダントツですがチーム戦ではどうなるのかが見物でした。

とりあえず久々に見て思ったのは「やっぱR指定マジくっそ強え!!!上手え!!!」って事です。このハンパない18人の中でもやっぱり頭1つ抜けて強いです。神懸り的に強すぎます。

フリースタイルダンジョン初代の時のルールはチーム戦だったのでその経験もありますし、このバトルでも心配されていた『チーム戦での戦い方』という面でもR-指定はまったく問題なしという感じで、まさにチャンピオンという存在感でした。

 

逆にその点で気になったのは晋平太です。晋平太のラップはチーム戦でも個人戦での時と全く同じラップをしているので、ただ自分が歌う小節が短くなっただけの細切れのバースみたいになっていました。

呂布カルマとR指定はその辺かなり上手くやっていたので、3人というより2+1みたいな晋平太だけ離脱した印象を受けましたし、今回の敗因はそこにあるのではないかと思いました。相変わらず不器用な人です・・・でも晋平太らしいです。

 

 

輪入道・MU-TON・DOTAMA

輪入道チームはムートン、ドタマの3人です。スタイルも年齢も離れている3人という事でチーム的にはこのトリオが一番面白そうですね。超安定感のある輪入道にディスのドタマ、グルーブのムートンという個々の性質では非常にバランスの良い3人です。

個人的にこのチームは全然噛み合わないか、すげー噛み合うのかどっちかになると思ったのですが、実際のバトルでは後者でした。チームとして非常に強く、最終的にはそのチーム力みたいなもので反則トリオである呂布カルマチームを倒しました。

 

先の晋平太と同じくMU-TONも個人戦での戦い方と全く同じラップをしていましたが、彼の場合はチームから離脱した印象を受けませんでした。それはやはりバトル巧者であるこの2人と組んだのが大きいと思います。

チーム戦での戦い方に慣れているDOTAMAに仲間思いの輪入道、個人主義のMU-TONがバランスよくマッチしていて非常に強かった。3人のコンビネーションがこの放送でしか見れないのはもったいないと思うほどカッコよかったです。

 

 

ACE・漢a.k.a.GAMI・TK da 黒ぶち

ACEチームは漢とTKの3人となりました。ドラフトで漢は誰にも指名されなかったのですが、こういった即興編成のチームだと漢という存在はかなり扱いづらいと思います。

2人が漢に気を使いすぎて空回りするんじゃないかというのが個人的な予想でしたが、実際のバトルでもそんな感じになってました。傍から見ていてもチームの空気があんまり良くなく、2人が委縮していた印象です。

タラレバですが、漢がFORKチームに入ってサイプレス上野がこっちに来ていたらもう少し面白いんじゃないかと思いました。

 

 

2018年のダンジョン

2017年のフリースタイルダンジョンはこれで締めくくりとなりました。今回は4時間放送という事でライト層のファンの方には少々胃もたれするボリュームだったかもしれませんが、スペシャルにふさわしいとても面白い戦いでしたね。ライブもかなり豪華で30日の夜はラップ漬けの一夜になりました。 

来年も引き続き2代目モンスター達が新たなチャレンジャーを迎え撃ちます。『バトルブームは終わる』と度々言われていますが、2018年のMCバトルシーンはその通り徐々に冷めていくのか、それともこのまま残り続けるのか。

その指標の1つでもあるこのフリースタイルダンジョンという番組ですが、是非来年の今頃も今年と同じ盛り上がりを見せてくれることを期待しましょう!

 

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