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曲者BATTLE手裏剣の良さを封じた崇勲!スランプ脱出の兆しか。フリースタイルダンジョン解説(放送日2018年4月10日)

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2018年4月10日放送(放送日は4月11日早朝)のフリースタイルダンジョンの感想・考察です。今週の放送は前回、裂固を倒して第二ステージに進出したHIBIKIの呂布カルマ戦からのバトルとなりました。

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HIBIKI vs 呂布カルマ

HIBIKIの2回戦の相手は前回の放送の予告通り呂布カルマが登場。HIBIKIの紹介VTRでも呂布カルマに言いたいことがあるっぽい感じだったのでこのバトルは中々に楽しみな戦いでした。

とりあえずHIBIKIのラップが非常にハイレベルでした。即興らしからぬトラップ風のビートアプローチと押韻はフリースタイルライマーとして彼がいかに凄いのかを物語っています。伊達にUMB岡山県代表ではありません。

一方呂布カルマは冒頭のHIBIKIの「岡山にライブ来た時に手抜きしていた」という発言に対して「これで金稼ぐのは簡単じゃねえ。俺のライブが手抜きなら俺の手に金は乗らねえ。お前の手に金が乗らないのはなぜか?単純にスキルが足りないだけだ」とアンサー。

 

全体的にHIBIKIのラップは3ラウンドとも質を落とさないスタミナもありラップの聞き栄えとしてはかなり素晴らしかったのですが、韻を踏み続けフロウを維持する事を重視したためか言っている内容にやや矛盾が生じていました。

もちろん論破おじさん呂布カルマはそこを見逃すはずもなく、いつものごとく『呂布カルマが相手を言い負かしているムード』をステージ上に創り上げていきました。このモードに入るとどうしても相手が必死になっている(あがいている)様に見え始めるんですよね。それが彼の強さです。

 

結果は2-1で呂布カルマの勝利となりました。前回の記事で自分は「呂布カルマに文句があるみたいなのでHIBIKIが彼を怒らせてくれたら面白そう」と言いましたが、今回のHIBIKIはどちらかというと相手を言い負かす事よりラップの聞き映え、テクニックを重視していた感じなので個人的に期待していたバチバチの戦いにはなりませんでした。

ただHIBIKIは負けてしまったものの、彼のダンジョン出演は高校生ラップ選手権から5年間、あれからどれだけラッパーとして成長したかを世に知らしめるとてもいいプロモーションになったのではないかと思います。

 

独特な雰囲気、圧倒的なプロップス

次に登場したチャレンジャーは現在のHIPHOPシーンで圧倒的プロップスを誇るライム忍者BATTLE手裏剣(バトルしゅりけん)が登場。主にバトルではBATTLE手裏剣、音源ではLHYME手裏剣と名乗っており、他にもBEAT手裏剣とかFUNK手裏剣とか渡邊4:20とか色々あります。

バトル音源共に非常にファンからの評価が高くて彼の事を悪く言う人はあんまり見た事がないです。けっこー口うるさいHIPHOPヘッズ相手にここまでアンチが少ないのは凄いです。

 

バトルで彼の名が全国で浸透し始めたのは2013あたりくらいだったかと思います。もちろん今も大活躍で2017年はUMB県予選大激戦区の神奈川県代表に選ばれており、チャンピオンシップでは絶好調のふぁんくに惜しくも敗れたものの全国ベスト8に輝きました。

彼の良さはビートアプローチやライミング、声の通りなどのラッパーとしての基本性能がべらぼうに高いのはもちろんですか、一番の強みは『何言うか分かんないところ』と言いますか、他の人には思いつかないようなパンチラインをぶっこんで来るところです。

あとは雰囲気と佇まいですかね。基本サングラスしてるか帽子超深く被ってるんで素顔が見えない事に加えてあのヒゲの感じとか、自分の世界で生きている様が音楽にも格好にも現れていますね。

個人的にBATTLE手裏剣とかKOPPA喰吐とかGADOROのようなちょっと顔を隠すようなファッションスタイルはかなり好きなのでああいう格好はカッケーって思いますね。

 

BATTLE手裏剣 vs 崇勲

BATTLE手裏剣は冒頭で「何言ってるか聞き取れないってよく言われるんスけど、何言ってるか聞き取る必要もないと思うんで、スキャット(※)みたいな感じで聴いてもらえばと思います」と言っていました。

(※スキャットとは「ルルル~」とか「シュビドゥバ~」みたいな感じで意味を持たない音を言葉の代わりに使って歌う事)

言葉の言い合いでのMCバトルでこういう事言うのも彼らしいです。スキャットと言ってましたが手裏剣は言ってる事も普通にカッコいい時結構あるんですけどね。まあ「いちいち意味とか気にしてんじゃねーよ」的な事でしょうかね。

 

相手として現れたモンスターは崇勲です。BATTLE手裏剣に「良い人そうですね。公園に座ってら猫とか寄ってきそう」って言われてたんですが

「公園で猫が寄ってきても無視!・・・猫アレルギー。プラス金属アレルギー、手裏剣も鉄ならNG」この入りは良かったですね~。このシュールな感じは崇勲にしか出せませんねッ。

今回の崇勲はここ最近で一番良かったんじゃないかと思うくらい全体的に良いパフォーマンスが出せていたのではないでしょうか。いい意味で笑えるライムなども散りばめられていて、スランプからの脱却を思わせます。

 

一方BATTLE手裏剣ですが、今回は完全に崇勲のペースになっていていつものカッコよさがあまり出ていない気がしました。もっと毒を吐いてくるような当たりの強いラッパーが相手なら良かったのかもしれませんが、彼に崇勲を当ててくるあたりモンスター陣営も上手いですね。

ガンガン相手がディスってきてそれをひょうひょうとかわすような強さが彼の魅力の1つでもあるのですが、今回はかなりやり辛そうでした。

または相手がビートアプローチが上手いラッパーの場合でもそれに乗っかる形で自分のフロウも炸裂させていく事もBATTLE手裏剣は上手いのですが、崇勲のモサっとしたフロウは彼をリズムに乗らせる事も防いでいたように思います。

 

結果は2-0で崇勲の勝利です。手裏剣ファンの1人としてはダンジョン視聴者にこれだけで彼を判断されるのはやや心苦しいところもありますが、相手の良さを完全に封じた崇勲がとても良かったですからね。

今週のダンジョンは「ん~、まあ普通かなッ」て感じでしたかね。まあ面白い回が多い分評価がどんどん厳しくなっているだけだと思いますけど(^-^;。来週も楽しいバトルを期待したいと思います!

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